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2001年11月号

日本語 日本語学校事情 その19
出題基準を一部改訂(日本語能力試験) その1


 日本語能力試験の出題基準が、平成14(2002)年度から一部改訂されることになった。今回は、まえがき(基本的性格の部分)、各級の漢字、各級の語彙および文法(3・4級)のリストが改訂されたが、そのうち本号では、まえがき(基本的性格の部分)、各級の漢字、文法(3・4級)のリストにおいて、改訂された部分を紹介する。なお、各級の語彙の改訂部分は、次号で紹介する。


▼まえがきの改訂について

 まえがきでは、出題基準の基本的性格を7つの箇条書きで記しているが、来年度から改訂されるのは、そのうちの2番目の項目のみ。2を除く、1及び3〜7は従来と変わらない。 項目の2番目は、来年度から以下のように詳細に記されることになる。

 2.出題のめやすとして、「文字」「語彙」「文法」については、それぞれリストないしサンプルを揚げている。これらのリストないしサンプルについては、各類の総論等に詳しく述べられているが、リストからの出題割合のめやすを以下にまとめて示す。

 (1)「文字」:各年度の問題作成者の判断において当該級の水準に相当すると認められる文字は、試験問題全体の20%程度まで当該級のリスト外から出題することができる。

 (2)「語彙」:各年度の問題作成者の判断において当該級の水準に相当すると認められる語彙は、試験問題全体の20%程度まで当該級のリスト外から出題することができる。

 (3)「文法」
 イ. 1・2級:(イ)リストは「1・2級のレベルを示すためのサンプル」であり、1・2級レベルの‘〈機能語〉の類’をすべて網羅的に揚げようとするものではない。
 (ロ)したがって、各年度の問題作成者の判断において当該級水準に相当すると認められる文法については、任意に出題することができる。

 ロ. 3・4級:各年度の問題作成者の判断において当該級の水準に相当すると認められる文法は、試験問題全体の20%程度まで当該級のリスト外から出題することができる。


▼漢字の改訂について

 各級の漢字数については、以下のように改定されることになった。〔〕内は現行の基準。

 ・4級の漢字は、原則として漢字表に掲げる103字とする。〔原則として漢字表の80字を含む100字〕

 ・3級の漢字は、原則として漢字表の284字を含む300字とする。〔原則として漢字表の245字を含む300字〕

 ・2級の漢字は、原則として漢字表に掲げる1023字とする。〔原則として漢字表に掲げる1000字〕

 ・1級の漢字は、第1水準漢字1926字、第2水準漢字は4字増えて114字とする。〔原則として第1水準漢字1926字〈常用漢字総数1945字から19字を削除〉〕、第2水準漢字110字

 なお、新たに級が変更になる漢字は以下の通り。〔〕内は現行の漢字級。

 【新たに4級になった漢字】

 安〔3〕、飲〔3〕、駅〔3〕、花〔3〕、会〔3〕、魚〔3〕、空〔3〕、言〔3〕、古〔3〕、口〔3〕、耳〔2〕、社〔3〕、手〔3〕、週〔3〕、少〔3〕、新〔3〕、足〔3〕、多〔3〕、店〔3〕、道〔3〕、買〔3〕、目〔3〕、立〔3〕

 【新たに3級になった漢字】

 暗〔2〕、引〔2〕、遠〔2〕、回〔2〕、寒〔2〕、顔〔2〕、区〔2〕、軽〔2〕、県〔2〕、光〔2〕、好〔2〕、合〔2〕、菜〔2〕、産〔2〕、市〔2〕、弱〔2〕、首〔2〕、所〔2〕、暑〔2〕、乗〔2〕、進〔2〕、森〔2〕、声〔2〕、説〔2〕、洗〔2〕、村〔2〕、太〔2〕、短〔2〕、池〔2〕、低〔2〕、都〔2〕、頭〔2〕、働〔2〕、便〔2〕、民〔2〕、門〔2〕、薬〔2〕、林〔2〕

 【新たに2級になった漢字】

 案〔1〕、異〔1〕、応〔1〕、仮〔1〕、価〔1〕、拡〔1〕、較〔1〕、看〔1〕、環〔1〕、基〔1〕、恵〔1〕、健〔1〕、故〔1〕、公〔1〕、康〔1〕、司〔1〕、志〔1〕、授〔1〕、修〔1〕、条〔1〕、整〔1〕、節〔1〕、善〔1〕、操〔1〕、張〔1〕、賃〔1〕、展〔1〕、批〔1〕、評〔1〕、標〔1〕、壁〔1〕、保〔1〕

 【新たに1級になった漢字】

 掛〔2〕、缶〔2〕、患〔2〕、機〔2〕、堅〔2〕、隻〔2〕、跡〔2〕、籍〔2〕、瓶〔2〕
 【1級の第2水準漢字(常用漢字表の表外字から採択された漢字)に新たに追加された漢字】
 漢字/音訓/用例の順
 伊/イ/伊藤、藤/トウ・ふじ/伊藤・藤原、岡/おか/岡山、奈/ナ/奈良


▼文法の改訂について

 文法(3・4級)のリスト内の以下の項目を3級から4級へ変更する。
 ・日本語能力試験「出願基準」(文法)―3級― (p.135掲載)
  B. 表現意図等(五十音順)
  70 その他1  ――ハ――ガ  私はこの本が読みたいです。/私は犬が好きです。
 (対象を表わすガ)/ゾウは鼻が長いです。

 なお上記の文法は、4級文法リストでは、「B.表現意図等」の項目「24 その他1」とする。これにより、「出題基準」の3級文法リストにおける「B.表現意図等」の項目は、全24項目、3級文法リストにおける「B.表現意図等」の項目は、全81項目となる。

 また、上記の変更に伴い、3級文法リスト「A.文法事項」内の「A−U−3−a 格助詞 ガ」の項も4級文法リスト「A.文法事項」内の「A−U−3−a 格助詞 ガ」の項に移行する。(立山)




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