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タイトル
2002年1月号より

平成13年度 学校基本調査報告書に見る専門学校の盛衰  第1分野(工業)
 → 入学者数、再び微減傾向に転換、対前年度比1.8%、実数で1,151人減)


 平成13年度の「学校基本調査報告書」が文部科学省から刊行されたので、今月号から数回に分け、専門学校を分野別に見ていきたい。データは同報告書の50分類によるもので、これをもとに平成2年度からの12年間の定員数・入学者数の推移を見てみる。

■入学者数6万2〜3千人で安定か?

 第1分野(工業)の入学者数のピークは、平成3年度の10万4,487人。以降、8年度を唯一の例外として、毎年大幅に減少し続けてきた。ただし、12年度はわずかに上昇に転じた。これが再び全盛期への折り返しになるのか、あるいは8年度のように一過性のものに終わってしまうのかが注目されたが、少なくとも13年度を見る限り、再び微減(1.8%、1,151人減)となった。

 工業全体の13年度の入学者数6万2,927人という数字は3年度ピーク時10万4,487人の約60%にまで縮小したということであり、商業実務・外国語分野と同様に、専門学校を取り巻く厳しい環境に直面している分野といえる。(次ページ以降の表は、専門学校全体のピーク時である平成4年度を100として計算)。

 ただし、10年度まではかなり大幅な減少であったが、11年度は対前年度比の減少幅は縮小し(8.7%、6,037人減)、12年度は一転して微増となった。13年度には再び減少傾向を示したものの、女性入学者はわずかながらではあるが2年連続で増加している。したがって入学者数に関しては、ここ数年は6万人台で推移する可能性は高い。 以下、文科省の分類に従って入学定員数、入学者数の動向を見てみよう。

101 「測量」

 この系はもともと規模が大きくない。「測量士」資格の取得を目指す学科がほとんどであるため、めまぐるしく変化する社会の動きに過敏に反応することは少なく、比較的安定している系といわれていた。そのために、入学者数のピークも工業全体のピークとは異なって、次の102「土木・建築」と同様に8年度にずれ、他の系とは異なった推移をしていた。しかし、8年度以降は一転して減少となり、この傾向は13年度にも引き継がれ、対前年度比で16.9%、実数で290人の大きな減少となった。102「土木・建築」と同様に、いわゆるゼネコン不況の影響をもろに受けているのが一番の原因と考えられる。また、「測量士」という資格取得だけを看板に掲げるのでは、もはや受験生の心をつかめなくなっているという側面も無視できない。

★102 「土木・建築」

 この系はその性格上、前の「測量」と同様の推移をする傾向にある。したがって、入学者数のピークも8年度にずれている。建築士などの国家資格関連の学科が多く、社会の動きによって入学者数が大きく左右されることは、もともと少ない系であった。しかし、昨今のゼネコン不況は深刻で、その影響は大きく、8年度以降一貫して減少傾向を続けている。13年度も対前年度比で12.0%、実数で1,250人の減少となった。この5年間で入学者数を9,494人も減らしており、13年度入学者はピーク時の半数以下、49%の規模にまで縮小したということになる。

 不況以外の原因には、この系に関連する資格は、大学や短期大学の関連学部や学科で取得可能であることがあげられる。そのために、実質的には無試験といわれる短期大学はいうにおよばず、4年制大学へも大量に学生が流出していることがある。また、「測量」と同様に資格取得だけでは、受験生が魅力を感じなくなっているという側面も無視はできない。なお、109「その他」の中には製図、製図トレーサー、環境設備などの類似学科があるので、それらと合わせてのこの系の分析が必要である。

★103 「電気・電子」

 この系は、2年度が入学者数のピークで、以降11年間にわたって毎年入学者数は減少し続けている。13年度の入学者数2,343人は、2年度ピーク時7,903人の30%以下の規模にまで縮小したことになり、深刻な状況に直面している。この系に属する学科の多くは大学の工学部などにもあること、また、日進月歩する技術の進歩をフォローアップするには、専門学校の2年間では不十分であるということの影響も大きい。このことは、次の104「無線・通信」にもいえることであるが、専門学校の半ば独壇場という印象がもはや薄れているといえる。

★104 「無線・通信」

 入学者数のピークは2年度で、以降は5年度の一時的増勢はあったものの、減少をたどり9年度には937人にまで入学者数を減らした。しかし、10年度からは回復に転じ、この4年間は一転して上昇基調にある。もともとこの系は規模が小さく、また、103「電気・電子」と性格的にも類似しているので、両系を合わせてみた方がより実態に即した分析ができる。

★105 「自動車整備」

 工業関連学科の中で最も堅調な動きを見せているのがこの系である。8、9年度を除けば、常に上昇基調を続けている。ただし、上昇といってもその幅は大きくなく、非常に堅実な推移をしている。資格関連学科であるが、かといって大学などに同様の学科がほとんどないこともあって、今後も安定した動きが予想される。なお、この系は、109「その他」の中に、自動車工業、航空工学、航空整備、航空機整備、自動車地質調査などの学科があるので、それらと合わせて分析する必要がある。

★106 「機械」

 かつてこの系は、ほぼ2千人台の規模を維持していた。しかし、5年度に2千人を割ってからは一直線の下降で、13年度の入学者数はわずか471人。50分類の独立項目としてはもはや意味をなさない規模にまで縮小している。 もともと規模的には、工業のなかでも小さい系ではあったが、宿命的に大学の学部との競合関係にあることの影響が大きい。専門学校教育でなければ、という特色を前面に打ち出し、大学との住み分けができるかどうか、また、そうした工夫のある学科が可能かどうかによって、この系の盛衰が決まる。 なお、「その他」にある工業や造船、金属などはこの系の同類としてみた方がより実態に即している。

★107 「電子計算機」

 対前年度比で2.2%、実数で74人とわずかに増加した。しかし、この系の入学者数のピークは3年度の8,173人であるので、約40%の規模にまで縮小していることになる。 かつては花形の一つとして人気を得ていた系であるが、昔日の面影はもはやない。もともと、次の108「情報処理」と合算して分類すべき系であるので、詳しくは次の項で見てみたい。

★108 「情報処理」

 入学者数は対前年度比で3.7%、実数で876人増えた。4年度の49,048人がピークで、以降は8年度を例外として下降の一途を辿っていた。一転して2年度続きのこの増加をどう読むかは難しいところだ。 「電子計算機」とともに、専門学校を代表する学科だったが、現在ではもはやその面影がない。実態からいえば「情報処理」と「電子計算機」は一緒に考えた方が、より現状に近いので、以下一緒に見てみる。

 この両系は、工業の中で最も規模が大きいだけではなく、専門学校全体のトップランナーでもあった。しかし、両系ともにピーク時の半分以下に規模を縮小した今は、逆に、分野と専門学校全体の足を引っ張っているといっても言い過ぎではない。 「IT革命」という言葉が使われるようになって久しい現在、この分野の技術者は社会にとって必要不可欠な存在であり、ニーズも高い。もはや、できもしないプログラマー養成などと寝言をいっている時ではない。従来のマンネリ化した、つけ焼刃的な学科でなく、冷静にこの社会のニーズを受け止めた学科創造を行えば、間違いなく復活への足掛かりはつかめる。

★109 「その他」

  この系の中には、以上に見てきた他の系に統合して見た方がより専門学校の実態に近いものも含まれている。本来ならばこの系に分類されるのは、それらを除く、応用化学、公害、眼鏡、時計眼鏡宝飾、眼鏡技術、写植オペレーター、遺伝子工学(バイオテクノロジー)などがあげられる。

 入学者の動向を見ると8千人前後でおおむねね安定している。他の多くの系が4年度以降、入学者数を減らしているにもかかわらず、この系だけは安定した動きを見せている。この表からだけでははっきりとしないが、受験生を引き付ける魅力を備えた新しい学科の誕生が大きい。

■「リーダー」復活なるか?

 入学者数が専門学校全体のピークとなった平成4年度には、10万人という大きな規模を誇っていた工業関連分野であるが、現在は年々規模を縮小している。しかし、かつてのリーダー的存在であるこの分野への期待は大きい。規模の回復への鍵は、すでにある状況をどのように利用するかということにある。18歳人口の減少は今後も続くし、不況は今日明日に解消されるというものではないからだ。

 資格取得を「売り」にしていた学科でも、入学者が減少し始めている。これらには、資格制度自体の老朽化という問題もあるが、それ以上に創造する努力、若い人を引き付ける魅力を創造することを怠っているからではないだろうか。

 一方で、わずかではあるがリーダー復活のきざしも見られた。コンピューターを中心とした「電子計算機」「情報処理」系の前年度比の微増である。まだまだピーク時に比べるには値しない程度の数値であり、復活と判断するには時期尚早かもしれない。しかし、これらの分野への社会のニーズは高く、この就職難のなかにあっても求人は多いと聞く。

 全体の入学者数に戻ってみても、13年度は前年度比微増であった。このままなんとか6万人台をキープするということではなしに、再び専門学校全体を引っ張るリーダーとしての勢いを取り戻してほしい。そのためには、もう一度創造力を働かせた専門学校でなければできない学科の工夫が必要であると思われる。(増井)


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