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2002年4月号より

平成13年度 学校基本調査報告書に見る専門学校の盛衰   第5分野(教育・社会福祉)
  → 入学者数は一転して3万人台を割る。 「保母養成」は3年連続増加し6千人台目前

 専門学校を分野別にみるシリーズ、今回は第5分野(教育・社会福祉)を見ていく。使用する資料は文科省の『学校基本調査報告書』の50分類で、これをもとに、平成2年度から13年度までの入学定員、入学者数を中心に見てみたい。(2ページと3ページの表。ただし、表には5ページ掲載の第2分野、農業も一緒に掲載されている)

■「その他」は全体の70%強に拡大

 第5分野(教育・社会福祉)は、下の囲みのように、「保母養成」「教員養成」「その他」の三つの分類しかない。かつては、ほとんどが「保母養成」「教員養成」の2系で、「その他」は文字どおり小規模であった。しかし、その状況は平成に入った頃から一変して、「その他」の入学者数は平成4年度から連続して前2者の合計を超え、名実ともにこの分野のリーダーとなっている。

 近年、ますますこの傾向は強まり、13年度には「保母養成」「教員養成」2系の入学者数の3倍近くまでに巨大化している。これは、社会福祉や、コード表には例示されていない介護福祉などの学科の新設ラッシュがその大きな原動力となっている。

 分野全体を見てみると、入学定員は年々増え続けており、13年度も対前年度比で1,312人(4.0%)の増加となった。ただし、この増加の大半は「その他」の増加であることを銘記すべきである。

 一方、入学者数については入学定員の動向とは違った推移となっている。「保母養成」は平成に入ってからの過去最高であった6年度をわずかに上回り、13年度は対前年度比328人(6.0%)の増加となっている。また、「教員養成」も2年連続して増加している。その一方で、「その他」は3年ぶりの減少で、1,534人(6.7%)の減少となった。この結果として、分野全体でも3年ぶりの減少となり、3万人台を割り込んだ。

 入学者数の男女比率を見ると、元年度は男子16.9%、女子83.1%であったのに対して、13年度には男子34.8%、女子65.2%となっている。男子の入学者数は、2年度の約5倍に膨れ上がっており、この分野への男子の進出が進んでいることが分かる。

 以下、文科省の分類にしたがって、各系別に入学定員数、入学者数の動向を見てみる。

★501 保母養成

 「保母養成」は、2年度以降、11年連続で入学者数が入学定員を上回っており、他の分野、学科のほとんどで定員割れを起こしているのとは好対称で、その根強い人気のほどがわかる。

 入学者数の推移を見ると、6年度までは順調に拡大傾向にあったが、それ以降、10年度までは増減を繰り返し、やや不安定な動きを見せていた。しかし、13年度は3年連続しての増加で、対前年度比328人(6.0%)の増加となった。この結果、平成に入ってからの最高であった6年度を抜き、6千人台目前の5,827人となった。これにつれて、定員数も4年連続して増加している。

 この系は男子の進出も大きい。入学者数の男子の比率を見ると、元年度はわずか5.5%であったが、13年度になると14.5%と男子の比率が大幅に高くなっている。男子に限って見れば、実数では小さいものの、7年度を唯一の例外として、年々着実に増加している。

 女性の社会進出によって、託児所などの整備が一層図られるようになったことによる新しい需要の創出がみられること、また、児童や幼児を対象とした福祉施設の整備も進んでいることなどのために、福祉分野の知識を持つ保育士の需要は近年ますます高まっている。しかし、同種の学科が大学・短期大学にも数多くあり、その中でいかに専門学校としての特徴を打ち出していくか、今後の動向に期待したい。

 なお、この「保母養成」では、保育士資格が取得できる。

★502 教員養成

 入学者数のピークとなった3年度は、約3,400人にまで達したが、以降は3,000人に届くことはなく、1,700人〜2,300人の間で増減を繰り返している。13年度は2年連続の増加ではあるが、依然としてこの範囲内に低迷している。もっとも、別な観点からこれを見れば、安定した動きをしているという言い方もできる。

 この系は「保母養成」同様に、かつては大学や短期大学との競合で苦戦をしいられていた。しかし、3年連続して定員の充足率は、82.0%95.4%98.7%と好転していることは注目に値する。専門学校の一丸となった「経営努力」なのか、それとも、「保母養成」同様に社会の単なる追い風によるものかどうか、今後の推移を注意深く見守りたい。

 ななお、この系は、幼稚園教諭資格が取得できる(一部に保育士資格が同時に取得できるものもある)。

★590 その他

 第5分野の70%以上を占める「その他」は、今やこの分野全体を支えているといっても過言ではない。入学定員は平成に入って 以降年々増加し、13年度も対前年度比で1,212人(4.8%)増加した。一方では、入学者数は再び減少に転じて、その成長にやや陰りが見られるようになった。

 冒頭で述べたように、この系の中には、ここ数年で急激に増えた介護福祉、社会福祉など、福祉系学科が多く含まれている。これらの学科は高齢化社会に伴う各種の社会福祉制度の整備という追い風にはある。しかし、一方では、他の系と同様に大学や短期大学との競合状態にもあり、今後のどのように推移をするのか、その動向を慎重に見守る必要がある。

 なお、この「その他」で、気になるのは充足率の推移である。5年度から8年度までは100%以上の充足率を誇っていたが、以降は定員割れとなっている。ここ4年間の推移だけを見てみると、充足率は85.0%88.3%90.2%80.3%となっており、13年度は80%割れ寸前にまで落ち込んでいる。充足率に関しては予断を許さない状況にあるといえる。

■大学・短大との競合をどう乗り越えるか

 他の分野が総じて学生数を減らしている中にあって、この分野は社会の流れに上手に乗って、比較的安定した拡大を続けている。特に福祉関連の専門職の社会の需要は高く、今後も大きく減少ということはまず考えられない。

 しかし、先に述べたように大学や短期大学でも、この分野の学科がたくさん新設されている。分野のすべての学科が大学や短期大学と競合するというのは、他に例がない。この競合という厳しい状況を打破するためには、専門学校としての特徴を新しく創造するしかない。専門学校関係者の慎重でかつ大胆な取り組みが今まさに問われている。(鎌田)




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