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タイトル
2002年5・6月合併号より

平成13年度 学校基本調査報告書に見る専門学校の盛衰  第6分野(商業実務・外国語)
 →
9年ぶりに1,406人の入学者増に転換。「その他」が分野全体の約6割に到達、復調の兆しか

前号に引き続き、専門学校を分野別に見ていく。今回は第6分野の商業実務・外国語。データは平成13年度の「学校基本調査報告書」の50分類によるもので、この資料をもとに平成2年度からの12年間の定員数・入学者数を中心に、その推移を見てみたい。

■全体の規模縮小に底打ち感

 学校基本調査報告書の専修学校の学科コードでは、第6分野は「商業実務」のみとなっているが、小社では専門学校の実態にそった分類をするために、第6分野の「商業実務」に加えて、第8分野の「外国語」「通訳・ガイド」を統合して、「商業実務・外国語」としている。

 文部科学省の分野区分では、外国語=外国語文学、という捕え方のために外国語関連の学科は第8分野に区分されている。しかし、下記のコード表をご覧いただくとわかるように、第8分野の「外国語」や「通訳・ガイド」には、スチュワーデス、英文秘書など、第6分野と同一ないしは類似の学科が数多く例示されている。これらは第8分野として考えるよりは第6分野の学科として他の学科と一緒にして考えた方が分かりやすい、というのが「商業実務・外国語」とする小社の理由である。

 この分野全体の入学者数の推移を見てみると、ピークは4年度の95,276人で、以降、12年度まで8年連続で減少してきた。しかも、入学者数の減少は各年度ともにかなり大幅で、6年度には前年度比12,279人減、7年度には前年度比10,878人減と1万人を超える規模で減少した年度もあった。

 しかし、10年度以降は、4,424人減(10年度→11年度)、3,074人減(11年度→12年度)となっており、減少幅は小幅になりつつあった。それがついに13年度は1,406人ではあるが、8年ぶりに増加に転じた。これが増加へのターニング・ポイントとなるのか、あるいは一過性のものかは今後の動向をもう少し慎重に見守る必要があるが、少なくとも明るい予兆ではあるといえる。

 なお、この分野は〈外国語〉をキーとして、大きく2つに分類すると分かりやすい。例えば、「商業」「経理・簿記」「経営」は〈外国語〉を一般的には必要としない学科群であり、一方、「秘書」「外国語」「通訳・ガイド」は〈外国語〉を必要とする学科群として見ると特徴をつかみやすい。

 そして、この〈外国語〉関連学科は、社会の動向と密接に関係してその影響を容易に受けやすいこと、また、大学・短期大学に類似の学科が多く、それとのバッティングの問題などがあるので、これらとの関連で分析をした方がよりわかりやすい。

 以下、入学定員数、入学者数の推移を中心に各学科群を見ていきたい。

★601 商業

 9ページ下欄のコード表で分かるように、この系に含まれる学科は、専門学校の学科としては、やや異質である。名称だけでは学科の教育目的や内容が漠然としていて、大学や短期大学の商学部などとの違いも判然としない。

 もともと規模の小さい系で、入学者数のピークとなった4年度に1,700人を超えたものの、以降は分野全体の傾向と同様に大幅な減少傾向にあった。13年度に入って105人増え、9年連続の減少には歯止めがかかったが、それでも入学者は476人。入学定員に対する充足率も37.1%にとどまっている。「タイピスト」同様に、1つの独立した系として分類するにはあまりにも規模が小さすぎる。

 この「商業」の学科は同種の学部・学科が大学や短期大学に数多く存在し、大学や短期大学のこれらの学科でも人気が低迷していることを考えれば、専門学校独自の特色を強力に打ち出さなければ、大きな発展は今後も望めないのではないか。

★602 経理・簿記

 「その他」を除けば、分野のなかで最大規模を誇るが、入学者の動向は分野全体と同様に大幅な減少傾向にある。分野の中にあって最大規模の「経理・簿記」は、分野の顔ともいえるのだが、13年度には対4年度比25.1%という壊滅的な規模にまで縮小し、分野全体の推移を象徴している。

 企業のOA化が進み、経理業務がシステム化された現在、コンピュータの扱い方さえ知っていれば、簡単に誰でもが日常的な一般経理業務はできるようになった。これらの社会状況の変化に、専門学校の既存のカリキュラムは対応しきれていないのではないか。

 一方では、公認会計士や税理士といった国家資格を目指す大学生などのダブルスクールの一つとして、あるいは大学卒業生がこれらの国家資格を目指すために通うというケースも多くはなっている。

 しかし、それでも11年度から12年度の入学者減が436人であったのに対して、13年度は762人減と依然として減少傾向にあることを考えると、抜本的な対策とはなりえておらず、今後の減少にも歯止めがかからない状態であると思われる。

★603 タイピスト

 入学者数のピークは3年度の663人で、規模は分野の中でも最小である。13年度には入学者数がわずか2人となり、入学定員自体も40名になってしまった。「タイピスト」という職業すら聞かなくなった現在では、もはや、この「タイピスト」が独立した分類として存在すること自体がナンセンスであるといえる。

★604 秘書

 この分野の入学者数のピークは、分野全体のピークの4年度ではなく翌年の5年度で、そのときの入学者数は11,511人であった。以降、10年度までの5年間は1,000人〜2,000人の規模で毎年減少を続けて、13年度には5年度比26.9%(実数にして8,415人減)にまで規模を縮小した。

 減少の幅を見ると、11年度には前年度比331人減、12年度には181人減と小幅になっているが、13年度も201人減少しており、この傾向は当面続いていく可能性が高い。

 この「秘書」は、短期大学に秘書科が設置されるまでは、スチュワーデス科と並んで専門学校の人気学科であり、多くの学生を集めた。特に、外国語(英語)が得意な高校生には人気があった。また、実務経験豊富なベテラン教員の熱心な教育にこの「秘書」が支えられていた、という事実も忘れることはできない。しかし、それらの多くの教員は、短期大学に秘書科が設置されるのに伴って、ヘッドハンティングされ、今では短期大学の教授、助教授クラスに名を連ねている。

★605 経営

 分野全体と同じく4年度をピークに以降は減少傾向にあり、12年度にわずかながら一旦増加したが、13年度には再び290人の減少。対4年度比では21.1%とみるかげもない。

 この系では、近年、インターネット関連の学科や、ベンチャービジネスなどの新しい学科が誕生したが、インターネット関連のビジネスは、技術革新のスピードが圧倒的に早く、同時に、複雑高度化している。現在の専門学校のこの系のカリキュラムでは無理が生じていると思われる。一方で経営学についても、長引く不況や、グローバル・スタンダードの導入に対して新しい学修需要が沸き起こっているが、これも同様の理由で、大学との競合に勝機を見い出しにくい。

 ただし、いずれも社会的ニーズの高まりは間違いないのだから、専門学校ならではの新学科の創設が待ち望まれる。

★805 外国語

 この「外国語」には、英語・英会話・その他の外国語や留学のための英語学科が含まれている。他系の多くが、全体のピークとなった4年度比20%台にまで規模を縮小するなか、40%台に留まっていることは、健闘しているといえなくもない。13年度も対前年度比5.9%増、実数で253人の入学者増となっている。国際化という時代背景に依るところが大きいものと思われる。

 ただし、大学・短期大学に同種の学部・学科が多数存在するという厳しい現実は、専門学校にとって大きな不安要因である。大学や短期大学でも、これら国際化の流れを受けて、より質の高い語学教育が行われ、海外の提携大学への留学や短期研修などに力を入れる傾向にある。大学・短期大学との競争をどう闘うのか、が今問われているといえる。

★808 通訳・ガイド

 入学者数のピークは、2,914人だった3年度で、他の系や分野全体とは異なる動きを見せている。4年度以降は5年連続して減少したものの、9年度から11年度は増加に転じ、12年度からは再び微減、13年度も170人減少した。ただし、対3年度比は45.8%となっており、分野全体の中では「その他」に次いで縮小幅が小さい。充足率を見ても65.5%という数字は、改善の余地を残すものの、そう悲観したものでもない。

 外資系企業のわが国への参入は依然として続いており、語学堪能で秘書的な実践力をもつ人材への需要は高い。しかし、気になるのは、「外国語」と同じく、大学・短期大学が壁となっていることであるが、10年度以降の動向を見ると、今後も1,200人〜1,400人の間で安定しそうな気配である。

★690 その他

 この「その他」には、ホテル・観光・旅行・医療・スチュワーデスなど多くの人気学科がある。

 入学者数のピークは5年度で、以降は7年連続で減少してきた。入学者数が減りつづける一方で、定員数のピークは9年度となっており、学科の新設、改編に苦戦してきた歴史を物語っている。

 そうした努力が報われたと判断するには、時期尚早であるが、13年度には一転して2,481人の入学者増(対前年度比11.0%増)となった。これは分野全体の入学者数の59.7%に相当し、しかも、分野全体の入学者増は1,406人でしかないことを考えると、今や分野全体を「その他」が牽引し始めたといってよいだろう。

 この新しく出てきた芽が順調に育っていくことに期待したい。

■「IT革命」のその後と「高齢化社会」への対応

 13年度のこの分野のデータには非常に興味深いポイントが何点もある。まず、「商業」が9年ぶりの入学者増になったことと、12年度から微増に転じた「外国語」が13年度には比較的はっきりした伸びを示したことが挙げられる。ただし、この二つは伸び幅も小幅であり、一過性ではないと断言できるような要素には欠ける。

 特筆すべきは、やはり「その他」の躍進で、微減した他の系をここだけでリカバーした形になっている。分類上、新しい学科はここに区分されるので、「その他」が約2,500人も増加したのは、時代の要請にマッチした新学科の創設に学生が敏感に反応した結果と見ることができる。もっとも、充足率を見ると61.9%となっており、決して楽観はできないどころか、試行錯誤の段階を超えてはいない。しかし、過去8年間、じり貧だったこの分野に新風が吹き込まれつつあるといえるのではないか。

 大胆に推論してみると、この分野における「IT革命」のスローガンはもはや取り込み済みという意味で終焉を迎え、代わって高齢化社会に対応した様々な「医療」関連学科が台頭してきたといえるのではないか。「経理・簿記」の項で述べたように、パソコンを習熟しさえすれば、経理や簿記は特殊な職能ではなくなった。一方で、医療関連はサービス業としてのビジネス展開にまだまだ発展の余地を残している。いずれにしても、この二つのキーに対するスタンスの取り方に、「商業実務・外国語」分野の成否がかかっているのではないだろうか。(増井)




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