すべての都道府県から回答を得たので、今年度の新設専門学校を前号に引き続いて、その確定値について見てみる。表1は平成10年度よりの新設専門学校数の推移である。今年度の新設校数は、前号の報告より7校増えて51校となった。昨年度に引き続いて依然として高い水準となっている。
大阪7校(昨年度2)、東京6校(同11)、埼玉5校(同2)、福岡5校(同9)、群馬4校(同1)が、新設校数のトップ5である。この中でも、群馬4校、埼玉の5校は、もともと新設が例年あまり多くない県であるが、今年度はしばらく振りの大幅増で注目される。
また、宮城、山形、栃木、滋賀ではしばらく振りに新しく専門学校が誕生した。その一方で、6年連続して新設校のない鳥取をはじめ、岩手などあわせて23県では今年度の新設はなかった。なお、昨年度も都道府県の約半数の24県で新設はなかった。
表2は分野別に新設校について見たものである。これによると、新設校は、工業3校(前年度8)、医療16校(同24)、衛生15校(同14)、教育・社会福祉2校(同8)、商業実務・外国語13校(同13)、服飾・家政1校(同0)、文化・教養16校(同17)で、農業(同1)だけは新設校はなかった。医療、衛生、商業実務・外国語、文化・教養では前年度同様に多くの学校が新設されている。
さらにこれを学科別に見ると、工業10学科(前年度18)、医療38学科(同64)、衛生27学科(同29)、教育・社会福祉4学科(同10)、商業実務・外国語30学科(同35)、服飾・家政2学科(同0)、文化・教養40学科(同40)となっている。医療の新設学科は相変わらず多いが、昨年度の64学科と比較すれば約半分になっており、やや落ち着きを見せたといえる。一方、農業は、昨年度4学科の新設であったが今年度は新設校がないために0となっている。 小社では、例年『首都圏専門学校全調査』(本誌7月拡大号)を刊行している。同誌は首都圏の全専門学校を1校1学科の漏れもなく掲載しているので、学科の新設・廃止をみるのには都合のよい編集内容となっている。したがって、新設学科については、今月号の結果とともに、8月号で詳しく見てみることにしたい。(鎌田)
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