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タイトル
2003年11月号より

平成15年度 学校基本調査速報徹底分析  その4 都道府県別入学者数の推移
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専門学校の入学者は4年連続して増加、338,285人で8年度の水準超える

 15年度の『学校基本調査速報』によると、専門学校の学生数は68万5,393人で、5年連続の増加となっている。また、入学者数は4年連続の増加で、33万8,285人となった。これは7年前の8年度を超える水準に達したことになる。

 専門学校の学生数を分野・系統別に見てみると(本誌8月号参照)、人気・不人気がかなり顕著に表れていることが分かったが、ここでは地域別に専門学校の入学者数の推移を過去10年間のデータとともに見てみたい。

■東京だけで全体の27.2%を占める

 専門学校の入学者総数は33万8,285人であるが、これを都道府県別に多い順にあげれば、東京(8万9,888人)、大阪(4万2,590人)、愛知(2万3,472人)、福岡(2万243人)、北海道(1万6,953人)となっていて、前年度と順位は変わらない。この5都道府県だけで合計19万3,146人となっており、全体の57.1%を占める。

 特に、東京は他の道府県と比べて圧倒的に入学者が多く、東京だけでも全体の26.6%を占めている。北海道を除いては、東京をはじめ、大阪、愛知、福岡は大都市をかかえており、専門学校の入学者はこれら大都市部に集中していることがわかる。一方、入学者数が少なかったのは、鳥取(581人)、和歌山(782人)、島根(891人)、山形(934人)、滋賀(995人)となっており、昨年度と順位も同じである。いずれも1,000人以下の入学者数となってる。10年前の6年度と比較しても、これら上位5都道府県の顔ぶれは変わらずで、専門学校の入学者の動向は都市部の動きに左右されていることがわかる。

【北海道・東北地区】 岩手、秋田を除いては一転して増加

 地区全体では、9年度以降5年連続して入学者減が続いていたが、14年度に一転して増加、15年度も1,011人の増加となった。

 県単位で動向を見ると、札幌と仙台という2大都市を持つ北海道・宮城に入学者は集中しており、両方ともが1万人を超える入学者を集めており、この2道県だけで地区全体の77.0%を占めている。最も入学者数が少ないのが山形で、ここしばらくは1,000人を超えたことがない。例年、若干の増減を繰り返しているが、ほぼ900人台のまま停滞している。 他の県では福島が増加しており、規模は小さいとはいえ、福島の対前年度比16.3%増は注目に値する。

【関東地区】 すべての都県で入学者数は増加

 関東全体の入学者数のうち東京への入学者は、ほぼ一定して約7割を占めており、この地区の動向は東京の動きと連動しているといってもよい。

 圧倒的な東京人気ではあるが、その東京も11年度までは連続して減少していた。12年度に上昇に転じたものの13年度は再び減少、そして昨年度は上昇と先が定まらない動きを見せていたが、15年度も上昇となり、2年連続の増加を記録した。神奈川も東京と同じような動きを見せており、こちらも2年連続の増加となった。

 千葉も上昇しており、昨年度に続き1都6県すべてで入学者数が増えた。

【中部地区(1) 甲信越地区】 山梨を除いてはすべての県で上昇へ

 この地域は、大都市と呼べるような都市がなく、東京、愛知(名古屋)、大阪を進学先に選ぶ傾向が強い。地区全体では、専門学校全体の動きと似ており、7年度以降はしばらく減少が続いていたが、12年度からは増加に転じ、昨年度は対前年度比8.2%の大幅増となった。15年度も704人増で4年連続の増加を記録した。

 甲信越地区で最も入学者が多いのは新潟で、これは10年前からずっと変わらない。9年度と11年度で対前年度比で微減となったが、全体としては上昇傾向にあり、15年度はついに8,000人の大台に乗り8,484人となり過去最高となった。新潟は実学志向が強いと言われ、高卒者の専門学校への進学率が全国一という県。不況による「手に職をつけたい」という学生のニーズに応える形で、今年も入学者を増やした。

 長野は3年連続して上昇していたが、今年は54人の減少となった。その他の県は全て増加し、安定軌道に乗ったといえる。

【中部地区(2) 東海地区】 地区全体で2年連続増加

 この地区は愛知の占める割合が高く、愛知の動向が地区全体の動向となりやすい傾向にある。そのため、15年度も2年連続で愛知が上昇したのをうけ、地区全体も2年連続の増加となった。

 他の3県も全て増加し、安定した動きを見せている。

【近畿地区】 4年連続の上昇で6万人の大台に

 近畿地区では、圧倒的に大阪が入学者を集めており、これに隣接する京都・兵庫が続いているが、大阪の動向が地区全体の動向となりやすい傾向にあることは愛知が牽引する東海地区と同様である。したがって、大阪が4年連続して上昇しているので地区全体も4年連続して上昇している。

 ただし、この地区は、他の地区と若干異なり、過去10年間、連続した長期の減少はあまり見られず、また、減少幅も比較的小幅であった。そのため、専門学校ブームともいえる現在の状況を受け、ついに6万人台の大台に乗った。

【中・四国地区】 岡山、愛媛は5年連続して上昇

 地区全体では、専門学校全体と同じく、4年連続の増加となっている。この地区は広島、岡山の2県の占める割合が高く、この両県の動向が全体の動向になりやすい傾向にある。15年度は、この両県が増加、特に岡山は5年連続の増加を記録し、地区全体では4年連続の増加となった。

【九州地区】 福岡は9年連続増加 地区全体では対前年度比で2.2%の小幅増となった。この地区を牽引する福岡は9年連続の増加で、2万人を超え20,243人となった。

 もともと、この地区は福岡が圧倒的な割合を占めており、福岡の動向が地区全体の動向となりやすい。他の県を子細に見ると、15年度は佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎で減少、福岡の圧倒的存在感が際立っている。福岡は九州地区の他県だけでなく、中国・四国地方からも学生を集めており、“一人勝ち”の様相を呈している。

■草の根で進学熱高まる

 これらのデータを見ると、大都市圏を中心にほぼ全国まんべんなく専門学校の入学者が増えていることが分かる。全国の47都道府県のうち、76.6%にあたる36都道府県で増加している。少子化や不登校の増加といった教育環境の急激な変化の中で、専門学校が入学者を増やしていることは注目に値するだろう。

 特に3大都市圏を抱えていない、北海道・東北、甲信越、中国・四国、九州・沖縄でも増えていることは、草の根で専門学校への進学熱が高まっている証ともいえる。

 京都文教大学の関口義教授の調査によれば、「専門学校進学に影響を与えたもの」について、「自分で自主的に決めた」とする回答が多数を占めている。同じ調査で「入学動機」として、資格や技術をあげている学生が多いことを考え合わせてみても、積極的に専門学校への進学を決めている状況がうかがえる。

 専門学校の役割が社会的に大きくなっているのと並行して、文部科学省も大学・専門学校の入学資格を緩和する方針を打ち出した。高校卒業者や大検合格者でなくても、各学校の裁量で入学を認めることが可能になったのだ。年間約11万人いるといわれる高校中退者にとって、専門技術が学べる専門学校への門戸が広がったのは朗報といえるだろう。

 高校中退者らのおもな受け入れ先として、専門学校が大きな役割を果たすことができれば、それは教育だけにとどまらず、日本経済全体の底上げにも通じてくるはずだ。

 では、専門学校側にそうした認識はあるだろうか?もちろん、最近の入学者の増大などを受け、情勢の変化には気づいているかもしれない。しかしながら、横文字を使えばいいと思っているのでは?と疑われるような学科名が見うけられるなど、地に足が付いていない印象も受ける。前月号でも触れたように、修業年限の延長傾向などから、教育内容の高度化・専門化が進んでいる現在、しっかりとしたカリキュラムを組み、より地に足の付いた人材育成が求められているのではないだろうか。(石田)




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