犯罪に巻きこまれる就学生をなくそうと、11月11日、東京都中野区のトラベルジャーナル旅行専門学校で「日本語学校生を犯罪から守る緊急集会」が開かれた。日本語教育振興協会東京地区評議員会・犯罪防止委員会が主催。警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策二課の池上情報班長が講演した。外国人による犯罪の実態とそうした犯罪に就学生が巻きこまれないための対策について、スライドなどを使って具体例を挙げながら話した。講演後には、集会に参加した学校による申し合わせを満場一致で採択、日本語学校全体として犯罪と闘うことを誓った。
組織犯罪対策二課は外国人に関連した強盗以上の刑法犯の捜査を主管する部署で、国際捜査課が前身。情報、ICPO担当、科学捜査の3班からなる。情報班は外国人犯罪に関する情報収集を行っている。
同課によると、平成15年1〜7月に東京都で発生した外国人犯罪のうち、留・就学生による犯罪は人員で全体の4割以上に達する。
講演では、来日する外国人の身元を現地で調べる際、(1) 相手の家に行く (2) アルバムを見せてもらう (3) 預金通帳を見せてもらう
(4) 親戚の家にも行く、など「相手の嘘を見ぬく」必要性があると指摘。また、窃盗や強盗をする際に使うナイフなどをスライドを使って説明した。
外国人犯罪者の温床になっているインターネットカフェや「揺頭パーティー」についても言及。インターネットカフェに掲示されているアルバイト募集の広告などに危険な物があると指摘した。「揺頭パーティー」は、薬物を飲んで終夜踊る集まりで、朝一番の授業中にうつむいていたり、汗臭い生徒はこれに参加している可能性があるという。また、急激にやつれてきた生徒もこのパーティーへの参加を疑ってみるべきだとアドバイスした。池上氏によると、歌舞伎町の中国人ホステスの約6割は、揺頭パーティーに参加しているという。
講演後の質疑応答では、中国紙上に掲載されているアルバイト広告について質問があり、池上氏は「アルバイトをあっせんするという求人広告は風俗関連のものが多い。携帯電話の番号しか書いていない求人先には、面接に行かないほうが無難」と答えていた。 その後、財団法人日本語教育振興協会東京地区日本語教育機関の総意として、日本語学校学生を犯罪から守る緊急集会の申し合わせを行った。申し合わせの内容は以下の通り。
(1) 学生の募集・選考を厳格に行い、真に勉学の意思と能力を有する者のみを受け入れる (2) 学生の生活管理、生活指導をきめこまかく行い、学生が犯罪に巻きこまれることを防ぐ
(3) 入管法の趣旨を学生に周知徹底させ、不法残留者を出さない (4) 資格外活動(アルバイト)については、学生が入管法を遵守し、不利益を被ったり、犯罪に巻きこまれたりすることのないよう厳しく指導・監督する以上の実現を図るため、「日本語教育機関の運営に関する基準」および「日本語教育機関による就学生・留学生の受け入れに関するガイドライン」を厳守する。(石田)
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