現代の事務管理

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表紙　／　本文

この本は……　（「はじめに」より）

　企業における事務管理の分野では、コンピュータ化、ＯＡ化が進み、伝統的な書記的事務を土台とした事務管理から、ＯＡ化を土台とした事務管理へと発展しています。

　このような変化は、当然ながら事務に対する認識についても変化を引き起こしました。読み・書き・計算するといったことが事務だという見方はしりぞき、代わって、ＯＡ機器を使った処理によって経営活動、業務活動をするのが事務の役割だという見方が生まれてきました。そして、事務処理システムとして事務をとらえる新しい事務管理観へと進展したのです。本書は、このような変化を背景とした現代の事務管理を考察したものです。

　第１章では事務の本質、経営における業務活動と事務との関係、事務管理の発展について考究しました。第２章では情報と事務との関係、事務管理と情報管理の関連など事務管理の基本的な事項を取り上げました。次いで第３章では業務と事務処理の仕組みについて考え、実際に発生する事務を業務別に概観するとともに、帳票・文書の機能とシステムにも触れました。第４章では事務分析と改善の要点について検討しました。現代の事務改善では、コンピュータによる処理システムの導入を考えることが一般的ですが、コンピュータの導入にはそれなりの開発手順が必要なので、この点を第５章において事務効率化と情報処理システムの開発として取り上げました。第６章では情報処理システムの適用分野について考察し、従来の業務処理の仕組みとコンピュータを使用した情報処理システムの実際とを対比する形で具体的に述べています。

　本書は、事務管理や情報管理を学ぼうとしている短期大学や専門学校の学生が、その基礎的な知識を身に付けるためのテキストとして書かれたもので、平明で読みやすい表現を心がけました。同時に、一般社会人の方々の基礎的な勉学にも役立つように配慮しました。