秘書概論

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表紙　／　本文

この本は……　（「はじめに」より）

　現代の企業は、厳しい経済環境の中で、企業を存続・発展させていくために、絶えず適確な意思決定が要求されています。企業の経営者や管理者などが、企業経営上重要な意思決定や決断を行うには有効な情報が必要であり、本来の業務が効率よく行えるような環境が必要です。そのために、これらの業務の補佐を行う秘書の存在が従来にも増して必要となってきました。

　しかし、一概に秘書といっても、秘書といわれている人の業務内容には、かなりの幅があります。社長の片腕として情報を処理し、ブレーン的な役割を果たす秘書から、来客の応接や上司の身辺雑務など庶務的な事務処理を行っている秘書に至るまで幅が広いのです。また名は秘書であってもその実態は、一般的な事務補助業務であったりする場合もあります。そこで、まず秘書とは本来いかなるものであるか、秘書の本質と定義を明らかにする必要があります。そのその基礎のもとに機能と役割、業務内容などを明らかにしていくことが肝要です。

　本書では、第１章で秘書とは何か。すなわち秘書の定義について述べ、第２章・第３章で秘書の形態と業務内容を、第４章から第６章にかけて、秘書が要求される資質、職場での人間関係とコミュニケーション、これからの秘書像について述べ、第７章・第８章で組織の中で秘書に要求される知識として、経営・会計・法務・情報処理などについて述べています。

　本書は、秘書業務などを学ぶ短期大学や専門学校の学生に、基本的な知識を身につけることができるように構成し、平易で読みやすいテキストとなるよう心がけました。そして、秘書概論として実務にも役立つように配慮するとともに、文部省認定秘書技能検定試験の秘書の資質、職務知識、一般知識などの修得にも役立つように配慮しています。