テレビ音声技術

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表紙　／　本文

この本は……　（「はじめに」より）

　ミクシングの分野は、レコード、ラジオ、テレビ、映画、サウンドリンフォースメントに大別されます。それぞれの現場において、条件の違いによりミクシング技術は異なりますが、そのなかでも映像をともなうテレビにおけるミクシングは、他の分野に比較して、極めて特殊な性格を持っているといえるでしょう。　テレビにおけるミクシングの基本となるのは、情報の伝達が第一ですが、単に情報伝達にとどまりません。音楽番組、ドラマ番組においては、芸術性の追求が大きなウエイトになってきます。　

　テレビにおけるミクシングは、情報の伝達と、芸術性の追求をどのように融合させるかが大きな問題です。　

　テレビ音声技術を見る場合、従来ややもすると、いずれか一方のみにウエイトがおかれてしまい、全体的に考察されない傾向にあるように思われます。　

　本書では、テレビ音声技術全般にわたって、広い角度から検討を加え、テレビのあらゆる分野全般における音声技術のあり方を考察しています。　

　ＮＨＫおよび民放在京キー局の現場で活躍しているミクサーが、各分野ごとに担当して、できるだけ実際にそった内容で、わかりやすく書かれています。したがって、本書は専門学校でテレビ音声技術の習得を目指している学生の教科書にとどまらず、既に現場において活躍している人たちにとっても、参考となるように編集されています。