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表紙　／　本文

この本は……　（「はじめに」より）

　プレゼンテーションについての書物は世に数々出ていますが、そのほとんどは、すでにビジネス社会に出て働いている人びとを対象に書かれたもので、これから社会人になろうとしている学生たちのためには書かれていません。そうした中で発刊された本書は、専門学校で実際にプレゼンテーションの授業を担当している講師陣が執筆した、授業のためのテキストです。刊行前１年間、教育の現場で試行的に使ってみて、その実績に基づいて、手直しすべきところを手直しし、補足すべきところを補足して出版に至ったきわめて実践的なテキストです。本書の活用法　本書の活用法はいろいろな仕方があるでしょうが、１年間やってみた授業の進め方の一つをご参考として紹介してみます。　第１章は「プレゼンテーションとは何か」の基本を学ぶ導入部ですから、学生たちの興味・関心をひき立たせるような実例を紹介するとよいでしょう。「プレゼンテーション７ヵ条」はしっかり覚えさせてほしい所です。　
　
　第２章の「演繹的順序法」の解説では、併せて「起承転結」についても、その典型として有名な次の文を例にとって説明を加えてみてください。　　
三条木屋町糸屋の娘…………… 起　　
姉は十八妹は十五……………… 承　　
諸国大名刃（やいば）で殺す… 転　　
糸屋の娘は　目で殺す………… 結　
　　
　第３章の「発声練習」は、「50音変形パターン」と「早口言葉」をＯＨＰで写し出して学生と一緒に発声します。「早口言葉」は何人かの学生に言わせてみると、授業が盛り上がるでしょう。
　
　第４章の「オーバーレイ法」と「マスキング法」は、ＯＨＰを使って実際にやってみせるのが理解の早道です。　
　
　第５章の「企画づくりのノウハウ」では、学生をグループ分けして、各グループで実際に企画書を作らせます。テーマは、与える場合とグループの自由にまかせる場合とがあります。　
　
　第６章の「発想法」も、グループ分けして、各グループにクレヨンを一組ずつ渡して、ＮＭ法のＴ型を実習することにしています。その際のテーマは、いくつか例をあげて、グループで自由に決めさせています。　
　
　ＫＪ法でも良いと思いますが、特にこの章では、いろいろな発想法の説明だけに終わらせずに、みんなでどれかを実習してみることが大切だと感じています。　第７章は先輩たちの体験した失敗談、苦労話と、そこから得た教訓です。感想を話させたり、自分だったらどうするかを語らせてみるのも一法だと思います。　なお、本書にするにあたり、オリジナル・テキストにはなかった演習問題が各章ごとに加えられましたので、その活用をぜひお願いいたします。